InterBEE 2021 国際放送機器展

2021年 11月17日〜19日に幕張メッセて2年ぶりの実展示になったInterBEE 2021 国際放送機器展に出展側として参加いたしました。コロナ禍ということもあり出展者もまだ控えているところが多く数は従来の半分以下、来場者も同様でした。ブースの広さも大手の会社でも小規模なところが多く会場も全体にコンパクトでしたが来場者の密度はさほど変わらない気もしました。オンライン展示もあるのですが提示した商品以外の話へ広がることがなく実展示会場ならではのマニアな会話交わされるのが醍醐味で、とある企業は新製品も何もないのに「出ることが重要」と出展していたりしました。まぁそうかもしれません。

InterBEE 2021 Hall7, 8

InterBEE 2021 出展物一覧

本年も株式会社ニューエックス(映像制作/放送関連機材部門 /ホール7 /7511) での展示。放送用IP機材やファイルベース製作機材を用意しました。年々同軸ケーブルを使うことが少なくなりネットワークでのシステム構築にシフトしていきますがそれら用途に合わせた機材の展示をしています。

■ CIS VCC/DCC-4KNDI 4K/60P Newtek NDI® 出力 HDR対応 18倍ズームレンズ内蔵小型POVカメラ

CIS VCC-4KNDI

CIS社初の放送用IPの一つであるNewtek NDI®に対応した4K/60P HDR対応カメラです。製品自体は出来上がっていたもののコロナで発表する場がなくInterBEE2021で初の実機展示となります。CIS社の4K/60P HDR SDI出力カメラ、VCC-4KZMをベースとしNewtekNDI®に対応させました。NDIカメラは通常NDI|HXというLong-GOP、H.264/265を使った圧縮率の高いコーデックを使うのですがVCC/DCC-4KNDIはCIS社オリジナルの画像処理エンジンClairvu™の性能を生かすため敢えてFull NDI(もしくはFull bandwidth NDI)を採用し低遅延、高画質を実現しています。NewtekのスイッチャーTriCasterから操作もできます。設定はWebブラウザからGUI操作可能でこの他にRS232でのコントロールも可能ですが今回新しい試みとしてRestAPIでのコントロールを実現しています。A/V業界ですととんと馴染みのない用語かもしれませんがIT業界ではスタンダードな通信方法です。これにより映像、音声、コントロール、電源(PoE対応)がネットワークケーブル1本で済むことになります。

VCC/DCC-4KNDIについては別記事で詳細に解説したいと思います。
注:VCC-4KNDIは左図のような筐体ありのモデルで、DCC-4KNDIは組込用モデルとなっています。

展示方法としてNDIカメラの出力をモニターに出すだけというのも芸がありませんので近年映像業界で使われつつあるUnreal Engineというゲームエンジンを使いVRを仕立ててみました。本当はグリーンバック使ってスタジオっぽいことやりたかったのですがブースの関係上ARにしました。ARとVRの違いは単に実写映像とCGのレイヤーの順番が違うだけです。Unreal EngineへはNDIを取り込む機能がプラグインとしてNewtek社から提供されておりキャプチャカード無しに取り込むことができます。カメラの位置や傾きの検出にはVR用トラッカーを使用。1秒間に最大120回計測してBlutoothで情報が送られてきます。カメラのレンズ情報ですがこれは先ほど出てきたRestAPIを使って随時ズーム、フォーカス、アイリスの情報を読み出しています。(JSONで返ってきます。)これらを組み合わせてカメラの映像とCGを連動させて合成しARを実現させました。

これについても別記事で解説したいと思います。

VCC-4KNDIにリグを使ってトラッカーを設置

AR合成結果。4K60Pでリアルタイムに動作してます。


NDIを使うには適切な対応ネットワークスイッチを使うことが重要になります。NETGEAR社にはNewtekNDIに最適化したProAV対応スイッチ、M4250シリーズ/M4300シリーズがランナップされています。InterBEEのNETGEARブースで展示されていました。ちゃっかり組込用NDIカメラCIS DCC-4KNDIも一緒に展示されています。もちろん動作検証はOKです。

NETGEAR NDI対応スイッチとCIS DCC-4KNDI


■ CIS VCC-4KZM 4K/60P SDI 出力 HDR対応 18倍ズームレンズ内蔵小型POVカメラ

VCC-4KZM InterBEE2021

まだまだSDIでの運用が必要だという方にはこちらの機種がおすすめです。上記のVCC/DCC-4KNDIのベースとなったモデルです。4K/60P出力、HDR BT.2100 HLG出力、12bit A/D 12bit画像処理(Clairvu™)10bit SDI出力を備えています。詳細はブログのレビューで紹介しております。

CIS VCC-4KZM レビュー Part1
CIS VCC-4KZM レビュー Part2
CIS VCC-4KZM レビュー Part3

VCC-4KZMで撮影したデモ映像をYoutubeに載せてあります。
 VCC-4KZM HDR Test Shooting 4K/60P HLG Version


■ M-Design MD-LC100 レンズコントローラー、M-Design Tablet Controller

MD-LC100&TabletController

VCC/DCC-4KNDI、VCC/DCC-4KZMに対応したレンズコントローラーMD-LC100。アナログ操作感を重視してズーム、フォーカス、アイリスを調整できます。ズームレバーには拘っており、この手のズームスイッチは適当なのが多いのですが本製品はFUJINON製のズームレバー(放送用レンズに付いているズームレバーのそのもの)を採用しています。64段階のアクセラレーションで動作しカメラマンの腕がそのまま反映されます。そんなに要らないということであればコード書き換えもできます。
Tablet ControllerはCISカメラ VCC-4KZM、VCC-4K2、VCC-HD3などに対応したAndriodタブレットで動作するカメラコントローラーアプリです。(機種別アプリ)Android OS 7.0以上に対応。カメラとはUSB-RS232C変換ケーブルで繋ぎます。(変換ケーブルも用意してます。)上記のMD LC-100をブリッジにして繋ぐことができ、併用することも可能です。カメラ設定内容はカメラ自身に書き込む他、タブレット内、SDカードに記録ができるためマルチカメラ運用で他のカメラと設定を共有したりカメラ毎の設定をタブレットに保持しておくといったことが可能になります。展示会場ではAndriodタブレットとしてAmazonタブレット FireHD7を使いました。安いし、ソフト自体そんなにパワー要らないので、、


■ Cinedeck NDI / SRTレコーダー  Cinedeck LX

CinedeckLX InterBEE2021

Newtek NDI® やSRT (Secure Reliable Transport) に対応したマルチカメラネットワークレコーダー/プレーヤーです。最大8chのマルチカム収録が可能です。Cinedeck社の従来製品と同じく放送向けレコーダーと同じVTR感覚での運用が可能ですしRestfulAPIでのコントロールも可能なため他社のメディアサーバーと組み合わせて使うことが出来ます。
オプションでST-2110に対応したりPRORES HQ/XQ, DNXHR SB/LB, XDCAM, AVC-I / XAVC,JPEG2000へ書き出しをすることも可能になります。今後の放送IP化にあたってかなり強力なソリューションとなります。


■ Hedge Video ソフトウェアベース波形モニター  ScopeBox4

ScopeBox4

Hedge Video社のソフトウェアベースのスコープモニタ。ポストプロダクションで必要な波形やベクトル、ヒストグラム、オーディオメーターなどこれ一つで賄うことが出来ます。ScopeLink機能を使うとPremierePro, Final Cut Pro X, After Effects, Davinci Resolve, Assimilate Scratchなどの編集アプリケーションからScopeBoxにデータを送ってモニタリングできるため、編集ソフト付属の機能では物足りない場合はかなり強力なツールセットになります。価格もかなりお手頃です。

※Mac版のみの提供となります。


このほかにも国内のポスプロにじわじわ納入されているファイルリテイク編集ソフトのCinedeck cineXtoolsや様々なコーデクのファイルを高速にトランスコードするHedge Video社のEditReady、グローバルシャッターを採用した4K/60P HDRカメラ CIS VCC-4K2などを展示。ブース1コマの割には出展物盛りすぎ感もあり説明が追いつかないところもありましたが改めてご説明、ご紹介させていただきたいと思います。