18倍ズームレンズ搭載4Kカメラ CIS DCC-4KZM レビュー Part3
CIS社小型4K/60Pカメラ DCC-4KZMのレビュー3回目です。実際に屋外/屋内で撮影をしてみました。収録した映像はYouTubeにアップしたのでそれを元に説明していきます。(本レビューは開発中の機能が含まれています。)
CIS DCC-4KZM HDR Test Shooting
https://youtu.be/qXu8txoHvdA
映像はいつも通り編集段階でカラーグレーディングとかは一切行っていません。撮影時そのままの色になっています。視聴にはHDR対応モニタを使うと本来の色に近くなります。SONY BVM-X310 とかのマスモニだとはっきり分かります。(失敗したやつとか、、、)
実際に撮影するにあたり基盤剥き出しのままでは危ないので外装を装備しました。レンズ前面にはフィルターが付けられるように49mmのネジが切ってあり、後方には電源やRS232コントロール、外部同期、LTCなどの信号をまとめたコネクタが付いています。下部には三脚に取り付けられるよう1/4”、3/8”ネジが切ってあります。
筐体の大きさはWide 70mm、Height 70mm、Depth 110mm くらいです。(突起部含まず)
収録にはATOMOS SHOGUN INFERNOを使用。DCC-4KZMとは3G-SDI x 4で接続。ATOMOS HDRでHLG 2100、Rec.2020カラーでモニタリング。カメラのHLGはSDR比で600%、1200%が選択でき、いつも通り1200%を使っています。
レンズコントローラーは三脚ヘッドの下あたりの脚に装着させています。一般的なコントローラーだとパン棒につける場合が多いのですがデバイスが小さくなるためフォーカスノブとかが小さすぎなのと割とパン棒の向きを変えて撮影するので操作しづらく、この位置に固定した方が安定しますね。今回はフォーカス、ズーム、アイリスは全てマニュアルで撮影しています。
コンテンツには音声が含まれていませんがマイクとしてAZDEN SGM-250CXを使いました。
実際に撮影をしてみます。コンテンツには早朝、室内、夕方、夜間のシチュエーションを含んでいます。
DCC-4KZMにはCIS社のレンズ交換式4K/60PカメラであるVCC-4K2と同じ独自の画像処理エンジン Clairvu™ が搭載されていて画面全体のカラーバランスがうまく保たれています。全体が直しようのない色バランスになったり、こっちの赤色はいいけどそっちの色は合ってないとかそのようなことは出てきません。実際にほとんどデフォルト値で撮っています。この辺りはVCC-4K2と同じです。もうちょい色を変えたいという時だけパラメータを設定するだけなのでセットアップ時間が短くて済みます。画質的にはVCC-4K2+高画質単焦点レンズよりは若干落ちるもののズームレンズがあることでENGカメラっぽく撮影できることが最大の利点です。
夜間の撮影にはGain +12db上げています。昔だったら+6db上げるのにひどく迷うのが普通でしたがDCC-4KZMでは全く気になりません。本編は従来からある2Dノイズリダクション機能を薄く使いましたが本機はさらに強力な3Dノイズリダクション機能があります。映像の最後にオマケとして入れておきました。使ったことのないGain +48dbにShutter 1/180、F5.6でノイズだらけの画像に3DNRをかけた実験映像です。ほとんどノイズが目立たなくなるのがわかると思います。ただしフレーム間処理なのでカメラが全体的に動くような映像だとブレというかダブりのような画像になります。この辺はカメラを固定するとか使い方によると思います。
総評としては18倍光学ズームレンズ内蔵ということで決める画角の自由度が高くPOVだけでなくENGカメラとしても使えそうなユーティリティ性があり、高速シリアル通信によるレスポンスの速いコントロール(特にレンズコントロールで有意)、従来から引き継いだClairvu™による高画質などが挙げられます。コンテンツ制作はもちろんのこと医療や3DNR使用による監視やライトが使えないところでの撮影と用途は多いのではないかと思います。性能は違いますがVCC-4K2+単焦点レンズの価格で何台かDCC-4KZMが買えてしまうコストパフォーマンスの良さもあります。4Kハンディカムで画質に不満があるのならDCC-4KZMを試す価値は十分にあると思います。