18倍ズームレンズ搭載4Kカメラ CIS DCC-4KZM レビュー Part2

MD-LC100

CIS社の4Kカメラ DCC-4KZM レビューPart2です。カメラレビューと言いながら今回はコントーロール系の話になります。前回タブレットで操作できるレンズコントローラーソフトウェアを作ってはみたものの、やっぱりレンズは回してナンボということもありハードウェアを作ってみることにしました。
※本レビューは開発途中の機能を含んでいます。


DCC-4KZMのカメラコントロールはシリアル通信で行います。(今回はRS-232を使用)コマンドセットはCIS社独自のプロトコルになります。命令にはSENDとGETがありGETでカメラの各ステータスを読み取ることもできます。フォーカス、アイリス、ズーム制御はそれぞれ複数のやり方があるので制御側のハードウェアの種類によって選ぶことができます。

零号機

とりあえず勢いで作った零号機です。大きさはiPhone8くらい。秋葉原で適当なパーツを買って組み立てました。
コントロールに必要なのはフォーカス(大きいツマミ)、アイリス(ボタン2つ)、ズーム(小さめのツマミ)なのでそれに絞って部品を配置。ユニバーサル基板なので位置決めに制限が出てしまい、ズームがダイヤル、アイリスが+/-制御のボタンになってしまいました。使えないことはないんですけど、ズームはやはりレバー方式にしたいしアイリスも細かく制御したいところです。この辺りは一般の店舗で用意できる範疇を超えてしまいます、、、

市販のコントローラーにはズームレバー?が付いてたりしますが小さくて操作しにくかったり手に入れられるかわからなかったので代理店に無理を言ってフジノンの放送用レンズで使っているパーツそのものを入手してみました。コレだよコレ!とフニフニ触って満足してしまいましたがどう制御するかはこちらで考えなくてはなりません。そもそもこのパーツ結構大きいのでケースに収めるには基板に穴を開けねばならず、基板そのものをオリジナルで設計することになりました。基板の設計にはそれ用のCADを使い、回路図や部品配置、穴開けなどの情報が詰まったGarbarデータなるものを作成します。作ったデータはクラウドに上げてしばし待つと出来上がったものが送られてきます。いい世の中になったものです。(4層基板、RoHS対応、ムダに青色)

各パーツをハンダ付けしてケースに取り付けてプログラムコードを流し込んだら完成です。ケースはメーカーに加工してもらいました。穴開け位置を指定したCAD図面と天面のデザインデータ(イラレデータ)を渡すとやってくれます。(1つしか作らなかったので結構な値段、、、)

レンズコントローラー MD-LC100 仕様
フォーカス:分解能10bit、横のボタンでマニュアル/オート切替。
      長押しでOne Push Focus
アイリス :分解能10bit、横のボタンでマニュアル/オート切替。
ズーム  :レバーの傾きにより64段階のアクセラレーション。

DCC-4KZMからシリアル通信が9600、38400、115200bpsから選べるようになりました。115200bpsではマニュアルレンズを直に操作するのと変わらない反応をしてくれます。スピードは正義です。(9600bpsだとワンテンポ遅れる感じ)


DCC-4KZMのフォーカス分解能 3584段階に対してコントローラーは1024段階ですが実用には問題ありません。もう少し大きいイメージセンサーとズーム比なら12bitにしてもいいかなという感じです。(プログラム次第で変更できそう)アイリスはこの手のカメラだと絞りが1段づつしかできないものがあったりしますがこれは完全にアナログ無段階のように設定できます。ズームのアクセラレーションはカメラの仕様通り64段スピードで動かせます。そんな細かい調整できないと思うかもしれませんが意外と慣れると出来るものです。

 

DCC-4KZM Controller

レンズ以外のコントローラーは?って話ですが、それ用のタブレットコントローラーを作りました。レンズ以外のコントロールをこちらで行います。よく使われる機能をUI配置してそれ以外はリモコンRU-100の機能を搭載させてOSD(On Screen Display)を使って設定という感じです。カメラとはMD-LC100と差し替えて繋ぐこともできますし、MD-LC100をブリッジ役として数珠つなぎすることもできます。シリアル通信スピードの変更も可能です。(RU-100は9600bps 固定)カメラを設定してしまえば後はレンズ操作がほぼになるので外しても構いませんというスタンスです。

 

USB-RS232 変換ケーブル

タブレットとカメラ/コントローラーに繋ぐにはUSB-シリアル変換器なるものが必要です。市販品を組み合わせて使うとなると途中がD-Sub 9pinであることが多くて重くかさばってしまいます。タブレット側のUSB端子に変なテンションがかかってしまうので変換ケーブル自体も作ってみました。これなら数グラムで済みます。USB-シリアル変換にはFTDIチップを採用しています。(タブレットソフトはProlificチップにも対応)


ようやくこれで実機テストの準備が出来ました。基本ワンオペ、ENGタイプでテストしようとしているのでメーカーの想定外になるかもしれませんが十分参考になると思います。

Part3へ続く

18倍ズームレンズ搭載4Kカメラ CIS DCC-4KZM レビュー Part1

CIS DCC-4KZM

2019年の国際画像機器展で発表されたCIS社の18倍ズームレンズ付き4Kカメラブロック、CIS DCC-4KZMを数回に分けてレビューします。同社4KカメラVCC/DCC-4KZMと同じく画像アルゴリズムであるClairvuを搭載、HDR(HLG75)対応で画質そのものは同等。ズームレンズが付いたことにより今まで以上に多様なアプリケーションで使えるようになると思います。(撮れるものが違ってくる)
※本レビューは開発途中の機能を含んでいます。

CIS DCC-4KZM 主な仕様
イメージセンサー SONY STARVIS IMX334 1/1.8″CMOS ローリングシャッター
画素サイズ    2.0μm(H) ×2.0μm(V)
有効画素数    3840 x 2160
出力解像度    2160p, 1080p, 1080i
出力信号     3G-SDI x 4ch, 3G-SDI x 1ch, HD-SDI x 1ch : Y/Pb/Pr(10bit)
同期方式     内部同期 / 外部同期
内蔵レンズ    光学18倍オートフォーカス ズームレンズ
         焦点距離 6.6mm〜120mm / F値 1.61(wide) 〜 4.13(tele)
消費電力     typ. 11W / max 13W (条件:DC+12V 入力時)
外形寸法     H:65mm W:66mm D:98mm
重量       316g

イメージセンサーのSONY STARVIS IMX334は最近の4Kカメラでよく使われています。裏面照射型で画素が小さくなっても明るく写ります。もっともセンサー性能を引き出す画像処理でかなり画質が違ってきます。DCC-4KZMにはCIS画像処理エンジンのClairvuが搭載されています。出力信号はSDIです。4K出力には3G-SDI x 4本で出力します。Squere Division(田の字)、2 Sample-Interleave どちらにも対応しています。フレームレートは60pのほか50p, 24pなど全て揃っているので一般放送用、映画用の仕込みカメラとしても使えるでしょう。


カラー調整も充実しており、あまり困ることは無いと思います。ホワイトバランスはオートでもかなりカラーバランス保ったまま追従できますしプリセットも豊富に用意されています。もちろんマニュアルでの調整(R Gain, B Gain)も可能ですし色温度(K ケルビン)を数値で指定することも可能です。RGBカラー調整や色補正、色飽和抑制の機能も有しています。ガンマ/画質系はBT.709系とHLG75のカーブ切り替え、ダイナミックレンジ設定(最大でBT.709は400%、HLG75で1200%)、Knee(BT.709のみ)、輪郭補正などが備わっています。

DCC-4KZM Mount

とりあえずマウントしてみます。むき出しのまんまなのでマウントというよりただ載せて縛っただけです、、 カメラの下は組込部品のベース/放熱板になっています。そこそこ熱くなりますがファンを付けるほどでは無いのでケース製作も無理なくできると思います。このまんま数日動かし続けているので最近の小型4Kカメラのようにオーバーヒートして止まったり故障したりすることは無いようです。上部に載せているのはテスト用の電源+リモート端子基盤です。DCC-4KZMはRS-232C/RS-422でコントロールできます。(排他使用)

 

Tablet Controller DCC-4KZM

カメラのコントロールにはCIS社のリモコン RU-100、もしくはCIS Webサイトからダウンロードできるテスト用アプリが利用できます。とはいえOSD(オンスクリーンメニュー)だけで操作とか外へPCを持っていくわけにはいかないのでAndroid タブレットで操作できるソフトウェアを作ってみました。とりあえずカメラのコマンドがたくさんあるのでテスト用ということでレンズ操作を優先にしています。これでようやく実機レビューとなりそうですが、実際に外で撮影はしてみたもののやっぱりタブレット操作でのレンズ操作は難しい、、、
POVカメラとして使うのならまだしもENGっぽく使おうとすると合わせるのに時間がかかってしまい撮りたいものが撮れなくなってしまいます。
ということでレンズコントローラーを急遽作ることになってしまいました、、、

Part 2へ続きます